深夜のデスクに灯るモニターの光

02:47まだ、終わっていない

速さは、
判定を手放した分だけ
手に入る。

Claude Code を入れて、実装は確かに速くなった。
なのに、案件は終わらない。――なぜか。

LP開発 × エージェントAI Anthropic / OpenAI 公式資料ベース 2026-07-24
夜の作業机とキーボード
実装時間は縮んだ。夜の長さは縮んでいない。
読み進める

夜が、明けない

エージェントAIを導入して減ったのは、キーボードを叩く時間だけだった。

手戻りは減らない。生成されたものを読む時間は、むしろ増えた。顧客との「そうじゃないんだよな」の往復も、以前と同じ回数だけ発生する。

速くなったはずなのに、なぜ楽にならないのか。答えは単純で、合否を決める役目が、まだこちらの手に残っているからだ。

暗い部屋でモニターに向かう人

Claude は仕事が“完成したように見えたら”止まる。実行できるチェックがなければ、“完成したように見える”ことが唯一のシグナルになり、あなた自身が検証ループになる

Anthropic / Best practices for Claude Code

残った3つのコストは、
全部おなじ根を持つ

LP開発で減らなかったコストは3つ。並列に見えて、原因はひとつしかない。

01

手戻り

作ってから「そうじゃない」が判明する。AIはそれらしく完成した状態で止まるので、間違いは人間が気づくまで残り続ける。

原因 ── 実行できる検証手段を渡していない

02

理解

自分が書いていないコードとコピーを、レビューのたびに読み解く。生成量が増えるほど、読解量が増えていく。

原因 ── 成果物だけを受け取り、根拠を受け取っていない

03

すり合わせ

顧客の「なんかイメージと違う」が言語化されるまで往復が続く。曖昧なまま制作に入っている。

原因 ── 制作前に曖昧さを潰す工程が存在しない

三つとも、正解を判定しているのが人間のままだという一点に帰着する。

実装 確認 指摘 修正

あなたは、
このループの内側にいる

実装 → 確認 → 指摘 → 修正。この輪を回しているのが人間である限り、AIがどれだけ速く書いても、輪の速度は人間の可処分時間で決まる。

窓から差し込む朝の光

判定を、渡す

ループの外に出る方法は、三つしかない。

検証手段を、着手前に渡す

実装を頼む前に「何が起きれば完成か」を実行可能な形で定義する。テストでも、リンク切れ検査スクリプトでも、スクリーンショット比較でもいい。合否が返るものなら何でも構わない。

これがあると、AIは自分でエラーを読み、自分で直し、通るまで回す。ないと、間違いはすべて人間が気づくまで残る。着手前の10分が、事後の2時間を消す。

Anthropic / Give Claude a way to verify its work

設計図とスケール

成果物ではなく、証拠を受け取る

「できました」を疑うための仕組みではない。読む量を減らすための仕組みだ。実行したコマンドと出力、スクリーンショット、仕様との対応表。これらが添えられていれば、コードを読み下す作業そのものが消える。

Anthropic は「証拠のレビューは、自分で再検証するより速く、見ていなかったセッションにも有効」と明言している。

Anthropic / Have Claude show evidence

ノートに書かれた記録

曖昧さは、制作前にAIに潰させる

顧客の要望は、本人も言語化できていない。だからヒアリングシートを埋めるのをやめ、AIに逆質問させる。訴求軸、検討段階、想定される反論、やらないこと。人間が思いつかない論点が出てくる。

その場で SPEC.md に落とせば、仕様書はAIへの入力であると同時に合意の記録になる。「言った/言わない」の往復が、ファイル1枚で消える。

Anthropic / Let Claude interview you

打ち合わせをする二人

8工程の、渡し方

→ 横に流れます

00

要件ヒアリング

  • AskUserQuestion で逆質問させる
  • その場で SPEC.md に落とす
  • 仕様が固まったらセッションを切る
  • 仕様書は納品物ではなくAIの入力
  • 仕様を精緻にする時間 > 実装を見張る時間
01

情報設計・構成

  • プランモードで探索と実装を分離
  • 3案を並列生成して比較する
  • 自己評価ルーブリックを組ませる
  • 差分を一文で言えるなら計画は飛ばす
  • 評価軸を先に文章化しないと案に流される
02

コピーライティング

  • 訴求軸→見出し→ふるい→本文と鎖にする
  • 反応の良かった実例を3〜5本渡す
  • 薬機法チェックは別呼び出しに分ける
  • エッジケースを全部詰めない。指示は長いほど守られない
  • 生成と検閲を同じ呼び出しでやらない
03

デザイン

  • 書体は4〜5種、色は基調1+アクセント2まで
  • 余白は4の倍数で統一
  • スクショを渡して差分を列挙させる
  • 「かっこよく」は指示ではない。数値で縛る
  • 審美性は上がったが一貫性は上がっていない
04

実装

  • CLAUDE.md に規約を置く(20行で足りる)
  • 既存LPのパターンを参照させる
  • 絶対のルールは hook にする
  • 規約ファイルは長いほど守られない
  • 2回直して直らなければ、捨てて作り直す
05

検証

  • 合否が返るチェックを最低1つ用意する
  • 「通るまで繰り返せ」を停止条件にする
  • 実行ログとスクショを証拠として出させる
  • テストは品質保証ではなくAIの燃料
  • もっともらしい実装が最大の罠
06

レビュー・顧客確認

  • 差分だけ見る別コンテキストに採点させる
  • Writer / Reviewer の二役で回す
  • 要望と変更の対応表を書かせる
  • レビュアーは健全な実装でも必ず何か見つける
  • 全部対応すると過剰設計になる
07

公開・計測・改善

  • 公開前チェックを非対話モードで自動化
  • 計測値から仮説→変更案→検証条件を1セットで
  • 効いた型を skill 化して次案件へ
  • 1本を磨くより、何周回せるかで差がつく
  • 資産はコードではなく規約と検証

持ち込むと効かなくなる、
9つの常識

従来の開発で正しかったことが、そのままでは逆に働く。左を捨て、右を採る。

  1. 作り方を詳細に指示する完成の判定方法を渡すAIは完成に見えたら止まる
  2. 前提は多く共有するほど良い高信号の最小量に絞る文脈が伸びるほど精度が落ちる
  3. 履歴は長いほど文脈が濃い無関係なタスク間でリセット残骸が指示より強く効く
  4. 直るまで指摘を重ねる2回で直らなければ捨てる往復そのものが文脈を汚す
  5. 規約は文書に書いて周知絶対のものはスクリプト文書は助言、フックは強制
  6. 書いた人とチームで見る差分しか知らない別人格自作にはバイアスがかかる
  7. 高機能な仕組みほど強い動く最も単純な形から抽象化層はデバッグを殺す
  8. 選択肢は多いほど便利用途が重ならない最小セット人が迷う選択はAIも迷う
  9. 書いたコードが資産規約・検証・評価基準が資産コードは再生成できる

次の1本から、この順で

全部を一度に変えない。効果が大きく、コストが小さい順に。

  1. 検証スクリプトを1本書くリンク切れ・必須メタ・フォーム送信・3画面幅。合否が返るだけでいい。
  2. CLAUDE.md を20行で作る色数・サイズ数・余白の刻みと検証コマンドだけ。効かない行は消す。
  3. ヒアリングを逆質問に置き換えるその場で SPEC.md を出し、顧客同席なら合意まで取る。
  4. 実装セッションを仕様から切り離すSPEC.md を持って新しいセッションを立てる。
  5. 納品前に敵対的レビューを1回指摘は「正しさに関わるもののみ」に限定する。
  6. 効いた型を skill 化するここが積み上がると、2本目以降の速度が跳ねる。
夜明けの道を走る人
ループの外に出た時間で、次の一本を走る。

エージェントAIでLP開発を速くするとは、AIに「速く書かせる」ことではない。
AIに「正解を自分で判定させる」ことである。